60年の節目の年に考える


(日野原重明先生と)

 今年も夏の平和イベントの時期になりました。
 私たち江戸川ネットも、毎年恒例で参加している東京大空襲で亡くなった戦災犠牲者追悼式、被爆者追悼式、反核・反戦キャンドルデモに加えて、8月26日から31日まで船堀タワーホールで、「原爆展」と「平和コンサート」を親江会(江戸川区の被爆者団体)の人たちと開催することになっています。今回の催しでは、特に、子どもたちに平和の尊さを伝えるために、会場の中はゆっくり時間をかけて見たり、書いたりできるようにレイアウトが工夫されています。年々高齢化していく被爆者の方々は、ご自分の経験を少しでも語り告ぐことで、被爆体験を風化させないという思いを、こうしたイベントに託していらっしゃるということが伝わってきます。私たちおとなも共に参加し、若い人や子どもたちに伝えることが、被爆国である日本がもつ使命を全うすることにつながるのではないでしょうか。

8月6日、8時15分、ヒロシマに原爆が投下された日時です。私が子どもの頃は、その時間になると、町にサイレンの音が響き、黙祷をささげて犠牲者の冥福を祈りました。今年は、被爆60年という節目の年とういうこともあり、故郷ヒロシマでは多くのイベントが行われています。
 今年の始めに、母校である広島女学院で、現在理事長補佐をしておられる私の恩師から、この秋予定されるイベントのご案内をいただきました。10月21日に、「日野原重明・小澤征爾 世界へおくる 平和のメッセージ」と題したイベントです。日野原先生のご尊父が広島女学院に関わりのある方ということから、今回の企画がすすんできたということでした。その他にも、吉永小百合さんや世界で活躍される音楽家の方々、また、オーディションによる市民コーラスなどと盛りだくさんの内容です。本当に豪華メンバーによる企画ということ、しかも、みなさんがボランティアでの参加ということで、入場料は格安になっています。8000人の会場があっという間に満席になるという状況です。このイベントの実施に当たっているのは、広島女学院同級生の精鋭たちで、今や各界で活躍中の友人たちです。私も、微力ながら、当日のお手伝いを買って出ました。出演者や会場に参加されている、一人ひとりの思いを、世界の平和につなぐことができたら素晴らしい。ヒロシマに生まれ、育った私にできることを、これからも実行していきたいと思います。