東京にオリンピックが必要ですか?

やっぱり「子育て・介護は社会のしごと」

先日、IOC(国際オリンピック委員会)は、2016年の候補地として東京の視察を行いました。都は、今年度「オリンピック」招致関連経費として、43億7500万円を予定していますが、2006年度から合計すると182億6700万円もの費用をつぎ込むことになります。また、ずさんな経営が明らかになった「新銀行東京」には1400億円、「八ツ場ダム」事業にはすでに1200億円という巨額の税金が投入されました。このようなお金の使い方に対して、多くの市民からの不満や疑問の声があがっています。都民の生活実態に即して、税金の使い方を改めるべきです。例えば、高齢者の施設におけるひとり当たりの経費は年間430万円ですから、今年度のオリンピック関連に使う43億円あれば、1000人の高齢者を支援することができます。

また、先日の新聞報道で明らかになったのが、江戸川区の葛西臨海公園内にカヌーの競技場が建設されるということです。葛西臨海公園は、東京都が管理している公園ですが、できて20年以上たった現在は、数々の動植物が生息する自然豊かな場所になり、多くの都民の憩いの場にもなっているところです。公園の環境保護のための活動をしている地元のNPO団体の方々は、こうした豊かな自然が破壊されることに危機感を抱いています。環境オリンピックを掲げる取り組みどころか、環境破壊を招きかねないオリンピックになってしまいます。

生活者ネットは、環境・福祉優先のまちづくりを提案、実践してきました。特に、1999年の統一地方選挙で、「子育て・介護は社会のしごと」をスローガンに掲げ、子育てや介護を地域で支えるしくみを提案してきました。ますます少子高齢化がすすむ中、高齢者のひとり暮らし、障がい者の自立、ひとり親家庭や子どもの虐待などの問題は深刻化しており、さらなる対策が必要です。生活者ネットワークは、「やっぱり 子育て・介護は社会のしごと」の実現に向けて都政に挑戦します。