9月19日から4日間、実行委員会が主催する「えどがわ水俣まつり」が開催されました。企画の提案者は、1970年から「水俣」を取材し、関わり続けてきた写真家の宮本茂美さんで、現在、江戸川区に在住している人です。1月に立ち上げた実行委員会には、江戸川ネットのメンバーも含め、さまざまな分野で活動する人たちが参加しました。
準備段階では、「水俣」の問題ついて、実行委員が経過や現状などの情報を共有し、さらに、地域の人たちに発信するためのイベントを開催してきました。
本番のメインは、石牟礼道子が「苦海浄土」に描いた「水俣」を砂田明が演劇化したひとり芝居「天の魚」の上演です。また、さまざまな視点から「水俣」考える企画が同時開催されました。初日は、「水俣病の経験を通して、現代社会と未来への視座を語る。」と題して、漁師の緒方正人さんの講演、二日目は、「水俣の産物を食べる」という企画で、生協と長年提携している甘夏生産者グループ「きばる」の生産者との交流会、三日目は、日本各地の原発から出る放射性廃棄物を処理する為の再処理工場が建設された六ヶ所村の現状を取り上げた映画「六ヶ所村ラプソディ」の上映と鎌仲ひとみ監督の講演会を行いました。最終日のまとめの企画は、和光大学名誉教授であり、東京大学理系助手を宇井純氏と長年務めてきた最首悟さんの講演会でした。
50年以上経つ、遠い「水俣」の問題を、現代社会の問題に引き寄せて考える場であったまつりには多くの来場者があり、内容の濃い充実したまつりになりました。