WAN(ウィメンズ・アクション・ネットワーク)東京集会が開催された。上野千鶴子さんなど各地で女性問題をテーマとして活動する人々が呼びかけ人となり、「NPO法人 Woman’s Action Network(WAN)」が誕生。女性情報総合サイトを運営するとともに、女性たちの活動を支える諸事業の展開を目的として設立されたNPO法人と紹介されている。
7月20日(日)、東京大学文学部の大教室において東京集会が開かれ、約150人の人々、老若男女と言いたいが9割方女性の参加による熱気のこもった集会となった。
最初の上野千鶴子さんによる基調講演では、女たちの運動の歴史、政治状況に翻弄され、影響を受けるバックラッシュの動きなどから、今、なぜWANが必要とされるのかの背景が語られた。1970年代のウーマンリブの運動で使われた「女から女たちへ・シスターフッド」をあえて今回のテーマとし、蔑称としての「女」たちが、自称「女」を表明し、今日まで社会の荒波と戦ってきた女性たちの運動には迫力を感じると同時に、私たちのこれからの生き方に大きな勇気をもらったような気がする。
ネオリベ政権の下に制定された「男女共同参画基本法」、同時にこの政権下で「国旗国歌」が作られている。その後、東京では「暗黒都政」が始まり、国歌斉唱を拒んだ教師への処罰やウィメンズプラザの解散問題などが起きた。地方においても、大阪府のドーンセンター廃止問題、男女共同参画関連の図書やBL(ボーイズラブ)図書が撤去され、関連の講座が中止に追い込まれるなどのバックラッシュが相次いで起きている。そのたびに、もぐらたたきのように全国を駆け巡り戦いつづけてきた状況が語られた。
私もそうだが、多くの女性たちは、男女平等や共同参画は社会の基本的あり方だと理解するが、リブの運動の時代を良く知らないし、少し距離を置く人もいると思う。現在、私は、江戸川区男女共同参画区民ワークショップのメンバーとして、さまざまな職業や地域の役職にある人と共に活動をしているが、まだまだ男女共同参画社会に対する意識は低く、無関心であることを実感している。
WANのサイトは、見てもらえればわかるように、いろいろな入り口が用意されている。B−WAN(ブックストア)、A−WAN(アートギャラリー)、M−WAN(マーケットプレイス)など、多世代に活用されるものになっている。若い人々も含めて広く市民に共感が得られる運動として、長く継続されるよう支援の輪を広げていきたいと思う。