市民力で運営する「子育てひろば」

東葛西にある「東京ベーテル」の子育てひろばを訪問

江戸川区は、年間おおよそ約6500人くらいの子どもが生まれる区であり、区民の平均年齢も40.8才でとても若い区でもあります。中でも葛西地域は、平均年齢が38.3才ということで若いという特徴があります。一方で、いわゆる転勤族など流動人口が多いという特徴もあり、若い方々の子育てについて、課題を抱えている地域であると言えます。       アパートのベランダが小さな遊び場に        江戸川区は子育て支援が充実しているということで、マスコミなどにも取り上げられ全国的に有名になりました。区の子育て世帯の状況で特徴的なことは、0歳から3歳までの子育ては圧倒的に家庭保育であり、特に0歳児の9割が家庭で育てられている状況です。この状況から、家庭で子育てしていることへの支援策として、いつでも気軽に子どもを連れて行かれるところ、子育て中の親たちが情報交換や悩みなどの相談ができるところが必要であるという提案をしてきました。そのひとつの施策が、区内17箇所に設置されている「子育てひろば」です。
 私たちと日ごろから関わりのあるNPO法人ファミリーセンター東京ベーテルは、東葛西において2000年から(財)こども未来財団の助成を受けて子育てひろばを運営してきた団体です。全国から注目を受けるここのひろばは、子育て中の親たちが集まる場の提供だけではなく、ケーキづくり、リトミック体操、読み聞かせなどをそこに来ている親たちが主体で行ったり、近所の小学校や福祉専門学校との連携で、若者たちが関わることで魅力的なひろばになっているようです。
 区が運営する子育てひろばでは、どうしてもさまざまな制限ができることや、豊富な人材をうまく活用するところまで至っていないという感じです。このような事業こそもっとNPOなどの力を借りて、そのノウハウを活用すべきでなないでしょうか。江戸川区は、こうしたNPO事業への運営費補助として、年間数百万円程度の助成金を出していますが、民間のこうした活力をもっと拡げていくことに力を注ぐべきだと思います。

 代表の森木さんは、昨年、子育てひろばの移転を迫られたとき、どうしても葛西地域で続けたいと考えたそうです。母親が孤立して子育てをしているケースが多く、自分の子どもが生まれるまで、赤ちゃんを抱いたことさえない、何をどうしていいのかわからないという若い親たちを支援する必要性を強く実感しているとおっしゃいます。また、ベーテルのようなひろばがあっちこっちにできることを期待したい。そのためには、行政からの支援は欠かせないということも意見として述べられました。

利用者や地域の方から寄付されたおもちゃ