荒川源流大滝村を訪ねて

〜「私のまちの川調査」活動の締めくくり〜

中津川、西沢の原生林を歩く →

2007年の統一地方選挙政策づくりの一環として、「私のまちの川調査」を東京全域で行いました。江戸川区を流れる「荒川」「江戸川」「新中川」などの一級河川と、「新川」「左近川」などの運河、また以前はどぶ川だったところを整備してできた「親水公園」や「新水緑道」などが区内を縦横無尽に流れ、川はまちの豊かな環境には欠かせないものになっています。今回の調査活動では、川の水質調査や生き物などの調査を行い、調査報告としてまとめました。また、10月28日、29日には、荒川の源流にあたる大滝村を訪ねてきました。
 
 大滝村には、計画から建設まで40年近くかかってできた滝沢ダムがありますが、村の一部はダム建設により移転し水没したところもあります。1994年の秋、江戸川ネットでは、ダム建設に反対する村の様子を描いた「あらかわ」という映画の上映会を行いました。この映画を観て、下流にあって川の恩恵をこうむる江戸川区民として、川を守るために重要な役割を果たしている森林とそこを守ってきた村の人たちの存在を改めて意識しました。その後1997年の秋には、NPO法人荒川クリーンエイドフォーラムが主催する、上流と下流の市民による交流会に参加し、映画に登場した人々から生の意見を聞く機会を得ました。1999年から着工した滝沢ダムは昨年完成し、12月から試験的に湛水が始まったということで、現在は30%くらいの水が入っている状況です。

 今回は三峰神社の紅葉祭りということもあって、多くの人が行楽に出かけてきていました。ふもとは紅葉には少し早い感じでしたが、神社のあたりの山はきれいな色に染まっていました。私たちは、元村議会議員で民宿を経営している山中さんのガイドで、シオジ、カツラ、サワグルミが生息している原生林に登ったり、昔は切り倒した木材を山の下まで運ぶために利用した「鉄砲関」の見学をしました。また、ナイトツアーと称して闇夜の山道を車で走ると、目だけが光って見えるのですが、ライトを照らすとハクビシンやタヌキ、シカなどの姿を見ることができました。

 東京から電車とバスを乗り継いで、わずか3時間というところですが、原生林や動物などの自然がたくさんあります。こうした自然があるからこそ、下流に住む私たちにも豊かな環境が与えられていることを感じます。江戸川ネットは、毎年、荒川クリーンエイドの活動にも参加しており、川辺のごみの組成調査や水質調査を行っています。
 ※今年は、11月12日(日)10時から 船堀橋付近
 ↓1000年以上もたっているカツラの木