江戸川区では、平成13年度から、庁内メンバーによる行政評価研究会を設置し、行政評価制度の取り組みをすすめてきました。最初は企画課による迷惑駐輪、介護、ゴミ減量の3事業を対象にテスト評価を実施し、各部、各課へと対象事業を広げてきました。2004年度には52事業を実施し、さらに、2005年度は43事業に関して外部評価を実施し、その結果が報告書にまとめられました。
江戸川区では、主なところでは、タワーホール、文化センター、スポーツセンターやホテルシーサイドなどが、指定管理者制度による事業委託がこの4月から始まります。これらのように民間事業者がサービスの主体者となる民間委託、民間の資本とノウハウを活用し公共施設の建設や維持管理などを行うPFIなどさまざまな形での民間活力の導入があります。そこで重要なことは、サービスの内容や施設の性質などによって、または、サービスを受ける区民の生活実態に照らして、どの手法を選択するのかということです。しかし、その前に、公がやるべき事業は何か、どのサービスや事業を民間に委託するのかを選択することがもっと重要ではないでしょうか。
行政をスリムにしていくことは必要ですが、そのとき問われるのは「公共性とは何か」「公共の担い手は誰なのか」「行政や公務員がやるべき仕事は何か」ということです。公共サービスの受け手である区民が、サービスの質の向上を求めることは当然であり、その評価に関しても当事者として参画するしくみが求められる時代です。
先日終わった第一回定例会で質問した「事業仕分け」は民間のシンクタンクが開発した手法で、公の事業やサービスを行政直営で行うのか、民間の事業に委託するのか、または、まったく廃止してしまうのかという選択について市民参加で行うものです。すでに横浜市などで実施されており、仕分けの際、一般公開の場で実施することが大きなポイントになります。行政が事業ごとの細かな内容を情報公開し、市民の代表者や公募市民などからの質疑応答を行なった後、参加者全員で今後の継続について多数決で決定します。この決定は、あくまでも行政や議会にとって最終決定ではなく、サービスを受ける市民が判断した重要な意見として参考にします。自治体の事業は地域や生活に密着したものが多く、江戸川区でもテーマを決め、「事業仕分け」にふさわしい事業を選択したうえで実施することを提案しました。