国の議論に疑問!

 イラクへの自衛隊派兵がはじまって、半年が過ぎようとしています。実際にどのような人道支援がなされているのか、メディアの情報からは、正確な状況は伝わってきません。ますます、イラク情勢は悪化してきており、先日の5人の民間邦人の人質事件では、いよいよ日本もイラクの戦火に巻き込まれていく不安を、市民に与えました。
 この人質事件は、明らかにアメリカ追随の日本政府に対する、武装グループの抵抗であったにもかかわらず、政府は、自衛隊派兵の姿勢を依然変えようとしません。それどころか、人質事件の解決を、「自己責任論」にすり替え、自らの責任を逃れようとする態度に、大きな怒りを覚えます。イラク情勢の悪化は、「イラク特措法」成立時点からは想定されないものであり、今すぐ、自衛隊の撤退をすべきです。
 また、年金制度改正をめぐる国会議論も、国会議員の年金未納や未加入問題が相次ぐ中で、議論が横道にそれてしまい、将来を展望した抜本改革のための議論は期待できないものになっています。まず、未納、未加入の状況はきちんと公表し、国会議員としての責任を果たすべきです。そのうえで、年金制度がいかに複雑で、制度としての欠陥が多いものかを明確にし、抜本的な改革に向かうべきです。
 今回の年金改正案は、単に、負担と給付の見直しに留まったものであり、生活者ネットワークとして提案している内容とはほど遠いものになっています。私たちネットは、「多様な働き方に対応できる年金の一元化」を求めて、次の意見を提案してきました。
①第3号被保険者制度の見直し
②パート労働者にも年金を
③特権化した議員年金は廃止
④遺族年金の段階的廃止
⑤基礎年金は税金から
いずれのことも、だいじな国の方針を決定すべき国会が、議員自らの自己責任を果たさず、十分な審議を行っていないといえます。市民からの信頼を取り戻すためにも、今こそ、国会を本来の役割である議論の場に転換すべきです。