現在、江戸川区議会では、「議会運営検討小委員会」において、さまざまな議会改革についての検討が行われているところです。議会運営の公開というところでは、ケーブルTVやHPなどでの放映が具体的に検討中です。また、ネットが所属する市民クラブとしては、委員会出席のたびに支給される費用弁償の廃止、条例などの審議は総務委員会ですべてを行うのではなく、それぞれ専門委員会(常任委員会)に振り分けて行うこと、この2点の早急に実施するよう提案しているところです。場合によっては、条例提案できるよう案文の作成を行い準備もしています。 議会のことは外から見えにくいこともあり、また、議員の権利を議員自らが律する改革なのでそれぞれの思惑があり、遅々としてすすまないことが問題です。
さる7月29日、30日の2日間にわたり、「市民と議員の条例づくり交流会議2006」が開催されました。今年は「議会改革」に焦点を絞り、「自治・分権の時代において、合議制の機関として議会ができることは何か」という内容で開催されました。
現在、東京都内ほとんどの自治体議会において議会改革と称した議員定数削減がすすめられており、議会に対する市民感情や行政の財政事情を考慮したことが削減の主な理由としてあげられています。この流れの中では、「多くの民意を反映するためにも定数の確保が必要である」というネットの主張も多勢に無勢です。真の議会改革とは何なのか、市民に対して議会の役割を明確に示し、実行すべきです。
最初の講演で、中央大学の今村都南雄先生からは、議会軽視の風潮や議会不要論が高まる状況にある中で、むしろ二元代表制にとらわれないで180度の転換を図り、議会が主役の地方政府の確立を求める必要性が強調されました。そのためにも、議員はその政策形成能力と行政監督能力の向上に努め、執行部とも対等に渡り合える実力を備える必要があると話されました。
今回、最も注目されたのは、最高規範性を盛り込んだ全国初の「議会基本条例」を制定した、北海道栗山町議会の報告です。自らが改革の先頭に立ち、2001年から、分権時代の議会のあり方や改革についての議論をすすめてきた、橋場議長の報告には説得力がありました。
昨年3月、全国では2例目の議会報告会を実施した際、町に対して住民の意見を反映させる役割と責任を果たすべき議会のあり方として、条例に定め明確にすべきであるとの市民からの意見が、条例制定をめざすことにつながりました。
条例の内容で主なものは、町民や団体との意見交換のための一般会議や議会報告会など、栗山町議会としてすでに実行してきたものが8割入っています。また、地方自治法96条2項の規定する議決事件として5つの計画を定めたことなどは画期的です。
議会改革は、何より議会に携わる議員自らが、本気になって取り組まなければすすみません。栗山町議会では、議長をはじめとする全議員の熱意の下で、市民の後押しもあり先進的改革が成遂げられたと言えます。
私たちネットにとっても、来年の自治体選挙で、市民に向けて自信を持って議会改革を訴える力を得た交流会議でした。